「ニュースレターって何?」「ニュースレターって効果あるの?」
このような質問を頻繁にいただきます。
「お客様にニュースレターを送るといいらしい」という話を、勉強会や知り合いの経営者から聞くことがあるでしょう。しかし、発行する意味合いが分からない、もう少しメリットを知りたい、と感じる方が多いのではないでしょうか。
もしあなたが、自社の経営のためにニュースレターの導入を検討しているなら、初めにするべきことは「ニュースレターの作り方を調べて作り始めること」ではありません。
あなたの会社はニュースレターが合う会社なのか?
そもそもニュースレターは、何のために発行するものなのか?
をよく知って、検討することから始めてください。
この記事はその助けになるはずです。
ニュースレターとは?まずは概要から
「ニュースレターって何?」の答えから書きます。
ニュースレターとは、顧客フォロー、リピート維持、ブランディングを目的としたツールです。
発行の頻度は、月に1回が理想です。
顧客が喜んで読んでくれそうな話題、そして自社のサービスに関わるお役立ち情報などを書いて、読みやすくレイアウトして送ります(店舗なら直接お渡しでもOK)。
サイズはA4またはA3両面程度が一般的です。
しかしこれだけでは、発行を検討するには至らないと思います。気になるのは費用対効果や、「メルマガではダメなのか」といった疑問への答えでしょう。
この記事ではニュースレターのこれらのことについて詳しく解説していきます。
ニュースレターの内容・目的・費用対効果
ニュースレターとはお店や会社が顧客に送る誌面
くり返しになりますが、ニュースレターとはお店や会社が、自社のお客様にお渡しする誌面です。チラシとは異なり、セールス色の非常に弱い(または全くない)内容のものです。
チラシは、「商品を買って!」と直接的なアピールする役目です。
それに対し、ニュースレターは
「弊社(またはうちのお店)はどんな会社で、スタッフや社長はどんな人物か、ご紹介しますね」
といった情報を掲載します。
「会社そのものや、商品に関連する情報でできている新聞」というイメージです。
例えば、
ネイルサロン:季節ごとの爪のお手入れ方法、市販のおすすめネイル関連グッズの紹介
工務店:お家を綺麗に維持する方法、湿気がこもらないポイント
自動車販売:近隣のドライブスポットの紹介
整体院・整骨院:自宅でできるセルフケアの紹介、健康的な食事のすすめ
このように、自社で展開しているサービスのプロとしてアドバイスしたり、有益な情報を教えてあげたりするものです。
もちろん、確実に読んでもらうための工夫として、それ以外の情報を入れることもよくあります。例えばナンプレやまちがい探しといったゲーム、近隣のお店の紹介、プライベートな話題などです。
これを持ってお客様と向き合えば、共通の話題が生まれて会話が弾むようになる、つまりコミュニケーションツールとしての役割が大きいのがニュースレターの最大の特徴です。
目的は「もっと好きになってもらうため」
「作るのに時間がかかるし、印刷費や郵送費もかかるでしょう。コミュニケーションツールになぜそれだけの費用をかける必要があるの?」
こんな風に疑問に思われるかもしれません。
ここでニュースレターを発行する目的を明らかにしておきましょう。
ニュースレターを出す目的は「会社(お店)をもっと好きになってもらうため」です。
顧客フォロー、ファン化、満足度アップといった言葉で表されることもありますが、要するに同じことです。
通常の「お客様と会社(お店)」の関係は、来店してもらって、サービスを提供して、お金を払ってもらったらおしまいです。
が、ニュースレターを使うことで、そこから関係から一歩踏み出すことができます。
もう少し会社のことを知ってもらい、有益な情報を教えてあげて
「親切な会社だな」
「こういうのをマメにやるお店は信用できるな」
「人柄も好感が持てるな」
と、自然と感じてもらえるようになる。これが、ニュースレターを発行する目的なのです。
「本当にそんな風に思ってもらえるの?」と疑問に感じるなら、逆の立場で考えてみてください。
あなたが、レストランのお客様の立場だとします。
あるレストランは、お店に行って食べてお金を払ったらおしまい。
一方、別のレストランは、「冷蔵庫の残り物で作れる簡単イタリアン」「パスタの盛り付けのコツ」などの情報が載ったレターを毎月くれる。
そのレターのコラムによると、自分と似た家族構成で、なんだか優しそうな人だというのが分かる。
前者と後者、どちらが印象がいいでしょうか。
明らかに後者だと思います。
後者は、
『きっとそれなりにお金もかかっているであろうことを、ただただあなたに有益な情報を伝えたいという気持ちだけで、ずっと継続的にやってくれる』
のです。
嫌な気持ちにはなりませんよね。
そして、レターの発行が何年もずっと続いたとしたら、どう感じるでしょう。
「日記を3年書き続けられる人は何者かになれる」とどこかで聞いたような記憶があります。あなたのまわりにも、何かをずっと継続している人はいませんか?
その人のことを、それだけですごいなと思いませんか?
あなたに有益な、役立つ、決して売り込みではない情報を3年も5年も送り続けてくれるのです。
それだけで、あなたにとっては充分いい会社、一目置く会社となるはずです。
ニュースレター発行にかかる費用
では、ニュースレターを発行する費用はどれくらいかかるのでしょうか。
最近はCanvaを始めとする優秀、かつ無料で使えるツールがたくさんあります。
イラストをプロに描いてもらう必要もなく、Canva内のグラフィックや、商圏フリーのイラスト集サイトから拾うことができます。(著作権を侵害しないよう十分注意しましょう)
ですから、データを作るだけなら無料です。
どうしてもデザインできないという場合でも、ココナラやクラウドワークスを利用すれば、数千円で仕上げてもらえるはずです。
印刷費だって昨今は非常に安くなっています。
参考までに、プリントパックでマットコート紙90kg(ツヤがなくしっとりとした紙質。コピー用紙よりやや厚め)で印刷した場合の料金はこちら。
https://www.printpac.co.jp/pricelist/list.php?product=leaflet&size=4&paper_type=2&paper=6&noki=7&changed=&proceed=on
500部刷っても3,470円です。
印刷事情に詳しくない方は「カラーよりモノクロの方が安いでしょ」と思いがちですが、10円しか変わりません。カラーで作った方が見栄えがよく、読みやすさも増します。
しかし、気になるのは実際にかかるお金ではなく、かかる時間、労働という費用の方でしょう。
これはニュースレターのページ数や、作業する人のスキルによるので一概に言えませんが、A4サイズ1枚であっても2時間くらいはかかるかもしれません。
専門の担当部署を設けて、立案から計画、発行までをしっかりと練ったうえで毎月1号発行している企業もあります。
ただ、大きな企業が発行する、何十ページもある冊子型ニュースレターはさておき、ペラ1枚~数ページのニュースレターなら、コツをつかめばそれほど時間をかけずに発行できるようになっていきます。
記事の最後に、ニュースレターを継続発行するコツを紹介していますので参考にしてください。
ニュースレターを出すことで生まれる効果とは
「せっかく労力をかけて作るのだから、高い効果を生んでほしい」
と願うのは自然なことです。
が、ニュースレターの効果はチラシやDMのように、「○枚配ったら□%の反応」といった数字で表すことができません。
そのため、「ニュースレターの費用対効果は?」の質問には「はっきりとしたことは分かりません」としか答えられないのです。
腑に落ちないと感じられるのであれば、上で述べたニュースレターの目的を思い出してみてください。
会社やお店をもっと好きになってもらうこと
「マメで信頼のおける人だな」と思われること
ニュースレターを通して会話ができるようになること
これがニュースレターを発行する目的です。つまり、数字では表せない効果を期待しているのです。
これらが果たされれば、ニュースレターは出す意味があるということになります。
では、好かれて、信頼されるとどんないいことがあるのか。
・自然とリピート率が上がっていく
・もともと高かったリピート率が、長期間維持されていく
・値上げしても離脱されにくい
・紹介が増えて行く
このようなことが起きることが考えられます。
もちろん、ニュースレターだけのお陰とは言えない変化です。しかしニュースレターがこれらの数字の改善のきっかけになる、助けとなるのは間違いありません。
「費用対効果が読めないなら発行したくない」
「効果が測れないのはちょっと…」
そう感じる人もいると思います。
この記事の後半では、費用対効果が読めなくてもニュースレターを出した方がいい人/出さない方がいい人 についても解説していますので、そちらもお読みください。
メルマガとの決定的な違い/ニュースレターをメルマガで流さない方がいい理由
「費用も労力もかかるから、ニュースレターに書く内容をメルマガで流してもいいですか」
この質問もよくいただきます。
これは、一部例外はありますが答えはNOです。
ニュースレターとメルマガの決定的な違いは、ニュースレターが紙で、メルマガがメールである点です。
考えてみてください。なぜ令和の時代になっても、ポスティングや折り込みチラシという手法が用いられているのでしょうか。
それは、「紙なら確実に手に取るから」です。
メルマガは、タイトルすら見ないで、差出人の名前だけ見て削除されることも充分考えられます。
一方で、紙であるチラシやニュースレターは、ごみ箱に捨てるにしたって一度手に取らなければなりません。
顧客、つまり読者としては、よく行くお店からのニュースレターであっても、どうしても時間がなくて読まずに捨ててしまうこともあるでしょう。
それでも「あのお店がまたニュースレターをくれた」という認識は生じます。その一瞬だけでもお店のことを思い出してもらえるというのは、非常に大きな一歩です。
一方で、メルマガを見て「あの人がまたメルマガを配信してくれたんだ」と思うことはあまりないでしょう。大量にあちこちから来るメールの一つ、くらいの認識になってしまうと思います。
好きになってもらうためのニュースレターをメルマガで流して、そんな風に扱われてしまうのは勿体ないことです。
ただし、ニュースレターをメルマガ配信してもOKな場合もあります。
それはお客様の方から「これからはメールやLINEで送ってくれませんか」とお願いされた場合です。
お客様にお願いされたらその通りにした方が良いで、その際はPDFにして送りましょう。
ニュースレター自体を有料コンテンツにすることもできる
「せっかく費用や労力をかけて作るのだから、目に見える形で売上に貢献させたい」
と考えているならば、ニュースレターによる効果で売上を獲得するのではなく、ニュースレターそのものを販売して売上にするという方法があります。
つまり、ニュースレターを商品にするということです。
ニュースレターを商品にできる業種や、リリースのポイントについて解説します。
オンサロ、コンサル、学び系動画配信者のアップセルになる
これまでは、顧客とのコミュニケーション、満足度アップのために作成するニュースレターについて解説してきました。
「これがお金になるなら、そうしたい」
と考えたくなるかもしれません。
しかし、一般的なニュースレターは有料化することはできません。
善意で送ってくれるお役立ち情報や、お店への印象が良くなる内容のレターを「1000円で買いませんか」と言われて納得できる人は稀でしょう。
では、有料化できるニュースレターとはどんなニュースレターなのでしょうか。
それは、会員や一部優良顧客だけにお伝えする「限定的情報」が掲載されているニュースレターです。
有料ニュースレターを発行しているケースとして
・オンラインサロンの運営者が、サロンメンバーに送る
・経営コンサルタントなどアドバイスを生業とする人が、クライアントに追加コンテンツとして送る
・学び系の動画配信者が有料会員制度を開始し、その特典として送る
このような事例が挙げられます。
学びの助けになる内容を書ける業種なら、特に有料ニュースレターをコンテンツにしやすいと言えます。
やってみたいな、と思ったら、以下の2点には注意してください。
・発行計画を練って必ず発行し続ける
良質なニュースレターを無料で出している経営者・会社はたくさんあります。その中であえて有料化するのですから、毎月の原稿執筆に追われているようでは不安です。
手元に届くのが毎月1日だったり20日だったりすると、代金を払っている顧客からすれば「大丈夫かな」「毎月1回ちゃんと届くのかな」と不安になってしまいます。
少なくとも半年、できれば1年の発行計画をしっかり立てて、コンテンツの中身と流れを確定させ、原稿締切り日と発送日を決定して厳守しましょう。
郵送するのであれば、商品ですから追跡可能なゆうパケットやレターパックなどを利用することをお勧めします(ただし信書に該当するかどうかは要注意)。
一般的なニュースレターは、もし誤字脱字があってもお愛嬌で済ませられる可能性がありますが、商品となるとそうはいきません。文章校正や誤字脱字もしっかりチェックする必要があります。
・動画の書き起こしはNG
ユーチューバーでなくても、コンサルタントでも動画を配信している人はたくさんいます。
溜まった動画コンテンツを有効活用したいと考え、文字起こしして有料ニュースレターのコンテンツに加えるというケースは非常に多いです。
動画も立派なコンテンツですし、新たに内容を練り出す必要もないというメリットは確かにあるかもしれません。
しかし、動画で話されている言葉はあくまで動画のためのものです。言葉選びや話の流れが動画独自のものであり、文章化すると非常に読みづらくなります。
また、その動画が一般公開されているものなら、有料でニュースレターを買うくらいの熱心な会員は「あの動画のネタだな」と気づいてしまいます。その人にとっての、ニュースレターの価値が一気に下がります。
「えー」「あの」「まぁ」などの言葉を削除しつつ、AIを使って読みやすい文章へとリライトすることもできます。
しかし相手は、お金を払ってまでニュースレターを読みたいと思ってくれている読者です。AIによるリライト文を読ませられて、果たして満足するでしょうか。
動画からテキストを起こさなければならないほどコンテンツが希薄なら、有料ニュースレターを出せるレベルではないということです。
動画と並行して発信していきたいなら、逆の方がやりやすいはずです。
先に有料ニュースレターのコンテンツがあって、時間が経ってからそれを無料コンテンツとして動画にする、という流れです。
「以前は有料でしたが今回は特別に無料で」
という方法はよくあるもの。
また、文章化されたコンテンツを動画に起こすのは、きれいなシナリオがある状態なので、動画自体のクオリティがアップします。
実際、文章コンテンツが豊富な企業が発信している動画は、話が理論立っていて、決して思い付きで喋っているのではない聞きやすい動画です。
「動画から文章コンテンツ」ではなく、「文章コンテンツから動画」という流れを検討してください。
ニュースレターを出すべき会社・ニュースレターを出さない方がいい会社
会社やお店が、お客様に自社のことをもっと好きになってもらうために発行するニュースレターについて解説してきました。自社は発行するべきなのか、しないべきなのか、この点で判断に迷っていらっしゃることでしょう。
マーケティングの勉強会などで、「ニュースレターは絶対に出すべき!」と教えられることがあるようですが、ニュースレター専門会社としてもそれはやや暴論だと感じています。
というのも、どうしてもニュースレターが効果を生まない会社は一定数あるからです。
ここからは、この記事を読んでいるあなたが、「自社はニュースレターを出すべきなのかどうか」を判断するためにお読みいただければと思います。
【大前提】会社の「売り」は人柄なのか利便性なのか
ニュースレターを作るべきかどうかを判断する前に、あなたの会社の特徴を明らかにする必要があります。
世の中には多くの会社、お店があります。顧客が商品を購入する際にどうやって会社・お店を選ぶ基準は、大きく分けて2つです。
① 安くて便利だから買う。同じものがあれば別に他の店でもいい
② 会社の理念や、社長・社員の人柄に惹かれているので、その会社をひいきにしている
①は、例えば、コンビニで肉まんを買うのに「絶対に○町三丁目のあのコンビニで買いたい」ということは、なかなかありません。近いコンビニで買うはずです。これは①の基準で選んでいます。
コンビニを経営している会社は「顧客に喜ばれる接客術教育」より「どこの店舗でも同じ商品が買えること」を重視しています。だから購入する顧客も、どの店舗でもいいと思って買うのです。
②について。
多少の差はあれど、似た商品を扱う会社はほかにもあり、競合他社は少なくない。
フランチャイズ化や支店展開してどこでも便利に購入してもらえるようにするほどの資金力や規模はない。
またはフランチャイズ化して商品・接客を均一化するより、理念や人柄で選ばれる会社でありたいという思いがある。
このような会社の、親切さやサポート体制の良さに魅力を感じて、応援も兼ねて購入するというケースです。
顧客は、①または②の基準で購入先の会社・お店を決定しています。
(そのほかに、商品のすばらしさ・独自性で選ばれることもありますが、ここでは割愛します)
近年圧倒的に多いのは①です。コンビニ、ファミレス、大手スーパー・・どれも①で選ばれます。
①で購入先を決める人は、店員さんがどんな人なのかはほぼ気にしませんし、価格が安く、便利であること、コスパ・タイパを重視します。
一方で、②で選ばれる会社は、量産型の商品展開はできないけれど、その分「人」「理念」で売っています。
そのため、②で購入先を決める人は、「自分はどんな人・会社にお金を払うのか」という点を重要視するのです。
いいと感じる会社があったら、もっと近くに似たサービスのお店があっても、もっと安いお店があっても、そちらには流れず、その会社だけから買い続けるようになります。
【具体事例】ニュースレターが合う会社とは
お気づきのように、②で選ばれる会社が、ニュースレターを出すべき会社です。
具体的に特徴をピックアップします。
・一人~少人数で経営している
①の代表である量産型・薄利多売の大手企業には資金面で劣るが、顧客のニーズに臨機応変に応えられるこまめさ、親切さが強みとなっている会社。
・アフターフォローの手厚さを売りにしている
売っておしまいではなく、その後のフォローまでも売りにしており、定期的に顧客の状況伺いを行っている会社。
・知識・技術・教養・考え方を商品としている
個々の力量を売っている会社。いい商品かどうかという判断は、顧客の主観にゆだねられるところが大きい。
つまり、顧客から「会社・お店から買う」より「『人』から買う」という印象を持たれやすい経営をしている会社です。
そのような会社は、ニュースレターを出すことで、長期的な利益を得る傾向が強いです。
まず、ご自身の会社が①と②のどちらの理由で選ばれているかを分析しましょう。
そのうえで、②だと結論が出たならニュースレター発行を検討してみてください。
※ 補足
人や理念で選ばれる会社がニュースレターを出すことによるメリットは、好かれて利益につながることだけではありません。
「合わないな」と感じる顧客を遠ざける効果もあります。
結果的に、考え方の合う、優良な顧客に囲まれる経営へと変化していきます。
5年、10年とニュースレターを発行し続ける経営者の本心とは
ニュースレターを毎月必ず発行し続けて10年以上になる、という経営者は多くいます。
統計を取ったわけではないので肌感覚ですが、「ブログを10年続けています」という経営者より、ずっと多いように思います。
ブログの方が、SEO対策や、地域を超えての発信という点では絶対的に強いにも関わらず、です。
しかし、ニュースレターを発行し続けている経営者に、「なぜずっと発行しているのですか?」と聞くと、大抵は「うーん」と歯切れの悪い返事が返ってきます。
「数字の改善がありましたか?」と聞けば、
「ニュースレターを出したからリピート率が何%良くなった、とかはわかりません」と言われます。
「紹介が増えましたか?」と聞けば、
「ニュースレターをお友だちに渡して紹介してくださる方は、まぁいますよ」などと言われます。やはりハッキリとした数字は出てきません。
そして
「お客さんから『読んだよ』って言われるから、次も出さなきゃってなりますよね」
「楽しみにしてくれているお客さんが多いんですよね」
これまでたくさんの経営者に同様の質問を投げかけてきましたが、最後は必ずこう言われました。
「月に数千円の費用と、数時間の作業で、『お客さんが喜ぶこと』ができるならやってあげたい」
というのが、ニュースレターを発行し続ける経営者の本心です。
お客様が喜ぶことはほかにもたくさんあります。
商品のクオリティを上げる、お店を綺麗に保つ、ラインナップを増やす、アンケートをとってご要望に応える、など。
その中で、比較的取り掛かりやすく、リスクが小さいのがニュースレターだともいえるかもしれません。
息切れせずニュースレターを発行し続けるコツ
「お客様が喜んでくれるなら、発行してみたい」と思っても、次の心配があると思います。
それは、三日坊主ならぬ「三号坊主」。1~2号目までは張り切って書けても、3号目あたりでネタ切れし、疲れてしまって発行をやめてしまうことです。
毎号、まっさらな紙に一文字目を打ち込むところからスタートしていたら、当然息切れしてしまいます。そうならないよう、無理なく継続できる発行のコツをおさえておく必要があります。
【継続できるニュースレターを作る手順】
① テンプレート・レイアウトを決定する
前述のCanvaやAdobe Expressなどからテンプレートを選びます。そのまま使ってもいいですし、使いやすいようにアレンジしてもOKです。
この時点では細かい内容や、何を書こうかといった心配は不要です。ここにタイトル、ここに写真、ここにテキスト・・と並べてください。まずは自社のニュースレターのイメージを可視化し、テンションアップ、モチベーションアップしましょう。
② コーナーを固定する
レイアウトが決まったら、どこに何を書くかを決めて行きます。こちらで永久に使えるコーナーネタを紹介していますので参考にしてください(ニュースレターを半永久的に出せるネタ8選。NGネタも公開)。
例えば、トップのコーナーを「サービスに関するお役立ち情報を載せるコーナー」と決めたら、今作っている号だけでなく次号も、その次の号も、そこにはお役立ち情報を載せます。
③ 5~10号分ほどデータをコピーしてから書き始める
コーナーの配置が決まったら、データを複製してから書き始めます。「お役立ち情報は何にしようかな」と考えていると、いくつかアイディアが出てくるでしょう。今号で書くのは1つだけなので、2つ目以降は次の号のデータ、その次の号のデータへと書いていきます。こうすることで、次号以降のタスクをどんどん減らしていくことができます。
写真も同様で、スマホのデータを見返した時に「これもいいな、こっちもいいな」といくつか候補が出たら、どんどん先の号のデータに載せて行きましょう。
この手順で作っていけば、ニュースレター1号を作るのに最初は2時間かかっても、次からは1時間、30分・・と時間を短縮させていくことができます。また、タスクが細分化されるので、「ニュースレターを1号作る」というタスクが、「お役立ち情報を考える」「レシピを用意する」と分散化され、気分も楽になります。
ニュースレターに書くためのネタ探しは常々必要ですが、大半は商品・サービスの専門家として書けると思いますから、それほど負担にはならないでしょう。
まとめ
本記事では、ニュースレターの意味と効果をテーマに解説しました。要点をまとめます。
ニュースレターとは・・・
・ニュースレターは会社・お店がお客様に渡す、商品・サービスに関わる情報でできた新聞
・ニュースレターを出す目的は、もっと会社・お店を好きになってもらうため
・発行費用は数千円程度だが、作り慣れるまでは数時間~半日かかる
・直接的な効果は測れないが、好かれることによるリピート・紹介などが期待できる
ニュースレターを有料販売するケースもある
・会員向けコンテンツやアップセルとして販売可能
・コンテンツが少ない/希薄なら有料化は無理
ニュースレターを出すべきかどうか
・利便性や安さではなく、人柄や理念を売りにしているならニュースレターは適している
・「お客様が喜ぶことをやってあげたい」と思う人はニュースレターを続けている
ニュースレターを発行し続けるコツ
「ニュースレターをやるべき」とどこかで聞いたが、内容や効果の実際のところがわからないという方には、参考にしていただけたと思います。
あなたがもし、お客様に喜ばれることをしたいと心から思うなら、ぜひ今月からニュースレターを出してみてください。
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